歓喜天倶楽部

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日本一多趣味のテキストライター篠野が魅せる。日本一多趣味なブログ。

焦点距離40mmの妙。



標準の焦点距離は50mmだろ!
いやいや!35mmだろ!


この論争はいつまでたっても終わらない。

たぶん、これから先100年経っても続いているんじゃないか。

人の視野角に近い35mmと、モノを凝視したときの画角に近い50mm。

どっちが標準か、間を割るように現れた、
40㎜。



その話をしていこうと思います。




使っているレンズ。



フォクトレンダーのNOKTON CLASSIC 40mm F1.4 SCです。
これ。



NOKTONというのは、アレだろうか。
イカノクチルックスから取っているのだろうか。
フォクトレンダーの強みでもある、明るいレンズ
について、フォクトレンダーの本懐をこのNOKTONシリーズからは
覗き見ることが出来るのかもしれないな。


初陣は旅行。



35mmのスコパーの時は美術館だったな。
コイツの初陣は、旅行でした。


作例を交えつつ。




このレンズ自体、シングルコートだということもあって、
晴れた日に太陽に向かってシャッターを切ると
まるでオールドレンズで撮ったかのような
盛大なフレアが出る。



なんというか、その時の気温までそこに残してくれていたのかと
思っちゃうような感覚。
もちろん当事者だから、当時そこは晴れていたのかとか、
季節がどうで気温がどうだったかなんて、
わりとわかるんだけど、
写真からくみ取れそうな気がしてしまうのだ。


まあスナップ撮りの私にとっては
「出てしまう」のではなくて、
「出てくれる」のだけど。

正直なところ、35mmとも50mmとも違う、この40mmという焦点距離
第一印象では「どっちつかず」
と思ってしまう。これが40mmが標準だ!をなかなかに言われない所以なのかもしれない。


が、ひとたび縦構図にすると、40mmという焦点距離
とてもしっくりくるような気がする。


この技ありの感覚というのが、妙であるともいえるのかもしれない。



なんというか、この「中途半端」を揶揄されそうなこの画角の
このレンズは、
その時の空気感というものを
時にはパリッと残してくれたり、


時にはふんわりと残してくれたりして、



写真を撮った私からすれば、
このレンズは、身の丈に合ったレンズなのかもしれない。

これは決して自分を卑下しているだとか、そういうことじゃなくて、
自分の「こんな感じで残したい」みたいな
言語化できない欲求を
このレンズは、
その時々の光を計算してイメージセンサーに送りつけてくれて、
最終的に私に丁度良く投げかけてくれるような気がした。


言語化はできないけど、
するならば、きっと「妙」だと思う。