歓喜天日記

私の持つ"喜"をここに記します。

語り継がるる伝説の話「ラインはサブアカ」




こんにちは。

ついに、この話をする日がやってきてしまった。

その名も


「ラインはサブアカ」



ご賞味あれ。


参ります。









これは、とある髭を生やした友人の話です。

って言うとわかる人がちょくちょく居るかもしれない。
ご名答である。

その友人の名をPとしよう。

去年の年末、大学時代の友人たちと
名古屋で集まりがあった。
内容は、久々に会って飲もうぜ、といったものだ。
例年、年末になると、名古屋に住んでいる友達と
友人Kの家で数人が集まって酒を飲み交わす、というイベントが発生する。
イベント駆動系プログラマーになった私は、静岡に転居した後でありながら、
名古屋の友人Kの家まで出向き、遊ぶことを決意。

そもそもの話をしよう。
私と友人のPは、私が気を病んで死にかけたころから仲が一層深まった(と思っている)ことで、
年末のみならず、そこそこ頻繁に遊んでいた。
今でもたまに静岡まではるばる遊びに来てくれる、素敵なマインドを持つノマドワーカーだ。

すこしPについて触れておこう。
Pは、今では結婚のスピーチを頼むほど、最も仲の良い友人となったわけだが、
彼は何かと言動に天然めいた節、というか詰めの甘さが垣間見えることがあり、大学時代も
頭のキレる友人たちから、言動をツッコまれていることも幾度かあった。
ここで誤解しないで頂きたいのは、頭のキレる友人たち、というのも、
大学4年間の生活を共にした、素敵な友人である。もちろん、大好きな友達なので結婚式にも呼んだ。
結果として、Pの発言に友人たちが矛盾をツッコんでは、会話に笑いを呼んでいた。
なんだかんだ言って、Pは愛されキャラである。これは私の主観かもしれないが、きっとそうなのだ。
実際、Pにはあだ名が400個は存在するし、そのうち396個は私が名付けた。


そして話を戻すと、年に一度の名古屋の集まりに、Pが来たのだ。
愛知県郊外の実家に暮らしていたPは、
亀に餌をあげないといけないからとか、
親が出掛けていて留守番をしないといけないからとか、
大学生とは思えないような、何とも可笑しい理由で遊びに参加しないことが大学時代もあった。
そんなPが、年に一度のその集まりに顔を出したことは無く、
いわゆる”レアキャラ”だった。
かくいう私も、静岡に住んでいたり、愛知県郊外で一人暮らしをしていた頃も、面倒がって参加しないこともあったので人のことは言えないのかもしれないが。

もしかするとPを馬鹿にしているのではないか、と感じてしまう人もいると思うので、
先に断っておくが、Pは、ドラムがめちゃくちゃ巧いのである。
バンドサークルにおいて、腕の立つドラムというのは、バンドを組みたい人たち(ドラム以外)からして、大人気の引っ張りだこ状態だった。なんせ、ドラムは必須なのだから。人気度が高いことが分かる。

(私以外)数年ぶりに彼と会うという人も少なくなかっただろう。
そんなPに、積もる話もあったのではないだろうかと思う。

私はというと、Pとはラインでやり取りをそれなりに頻繁に行っており、
大体トーク一覧のトップ3にいるくらいの距離感だ。
気色悪い表現をするならば、アイコンを変えたことくらいは、追って気付くことが出来る。

導入が長く申し訳ないが、少しその年の初め頃の話をしようと思う。

ラインのプロフィールには、ひとことを載せる機能があることがご存じだろうか。
そう、この話は、Pのラインのプロフィールに関する話だ。

ある日、そう、思い返すと、春ごろだったと思う。
彼奴(きゃつ)のプロフィールのひとことにとある文字が刻まれていた。



「ラインはサブアカ」



Pのひとこととして登録されたそれは、彼のプロフィール欄に吹き出しマークを付けて
まるでPが喋っているかのように佇んでいた。

気になった私は、そのことに触れる。
そりゃあ気になるに決まっている。
日本におけるLINEアプリのシェアを考えると、
そう簡単に「ラインはサブアカ」などと書けない筈であることは
火を見るよりも明らかだった。

私「ってかなに?”ラインはサブアカ”って」
P 「いや、Slackの方がよく使うもんでさ~」
私「ふーん」

サブアカで会話されているのか、さみしいな、と思いながらも、
その程度でその話題は終わった。

場面は変わり、その年の末、
名古屋で久々に友人たちと再会する機会にて。
全員で6人くらい集まることができた。
久しぶりに会った友人たちと、最近は何をしているのかとか、
他愛もない話で盛り上がり、酒が入り、笑いが絶えない空間が出来上がっていた。
まさに、あの頃を思い出すようだ。静岡から来た甲斐があるというものだ。

話が尽きない中、私はPに対して、あの話題を振った。

以下が、会話内容である。
ここで、友人が数人出てくるが、それぞれアルファベットを適当に振っているので、
どうにか補完しながら読み進めてほしい。
酒が入っていて、みんな明るい声で笑いながら会話をしていることを想像してほしい。
ちなみにPは一滴も酒を飲めないので、ヤクルトかなんかを飲んでいたと思う。


私「っていうかさ、Pさ、あの”ひとこと”何なん!?」

M「え、なにそれ?」

私「いやあのね、こいつラインの一言に「ラインはサブアカ」とか書いてんのよ」

私「こっちはメインでやり取りしてるのに、冷たくない?」

私は酔っ払いながら、友人たちにPのラインのプロフィール画面を見せた。
その画面を見ると、少し笑いが起こった。皆酒が回ってきていて、気分が良いのだろう。

K「本当じゃん、なんで?」

P「いやメインで使ってねーんだもん!」

M「ライン以外にメインに昇格するようなメッセージアプリってなにがあるんだよ!」

P「ん~俺はSlackかな」

Slackかよ、業務系のメッセージアプリじゃねえか、と、部屋にいる誰もが思った。
無論、私は以前からそう思っていた。

M「だとしてもわざわざ書く必要無くないか?」

K「確かに!」

私「そうだそうだ!」

P「いやだって返信遅くなっちゃうの申し訳ないと思ったからさあ…」

M「いや遅い早いって別に正解ないじゃん、遅いなら黙って遅くても問題ないって!」

M「メインのアカはスラックなん?」

P「せやな、スラックかな。」

M「じゃあスラックのひとことに”スラックはメインアカ”って書けよ!」

そうMがツッコむと、キレのいいツッコミにどっと笑いが起こる。

M「サブアカでやり取りされてる側のことも考えなよ、かわいそうじゃんか~!」

私「せやで、書かなくていいと思うわ」

P「う~ん…」

私「スラックなんてどうせ仕事の連絡だろ。」

P「まあそうだけど…」

M「じゃあPはさ、彼女とは何で連絡とってんの?」

MがPに質問を投げかけ、
それまで騒がしかった部屋が一変してシンと静まり返り、
全員がPの声に耳を傾けた。
そしてPはこう答えた。


P「ん~?ライン。」


その時、部屋全体がうねりを上げて揺れた。爆笑の渦が発生したのだ。

この話題になるまでに、彼女と上手くいくにはどうすればいいだとかの会話にPも花開かせていたことを思い出し、そのPが彼女とサブアカでやり取りをしている事実に、私たちは過ぎ去る台風のごとき爆音で笑い転げた。
その笑いは止むことを知らず、その渦の中でMが目に涙を浮かべながらツッコんだ。

M「おもしろすぎる!そりゃ上手くいかねーだろ!」

K「そのひとこと絶対、消した方が良いって!あははは!」

5分くらいだろうか、一通り笑った後、笑い疲れたP以外が、徐々に冷静さを取り戻していく。
Pは照れ臭そうにしている。私は本当に名古屋中が爆笑の渦に包まれたと錯覚した。
「いつからその一言を設定していたのか」と問うKに対し、
Pはこう言った。



P「一年くらい前かな。



瞬間、あたりが真っ白に光ったと思えば、今度は爆発のような笑いが再び名古屋を包んだ。

K「まさかこの一連の会話と笑いが起こることを予測して一年前から伏線を張っていたのか!?」

Kが鮮やかにツッコんだ。
爆笑が爆笑を呼ぶ。
ここは名古屋。Pの踊る巨大なダンスホール
もし、それが事実だったとしたら…。

M「それはヤバすぎる!」

爆笑の渦が直径をさらに大きくしていく。

私「だから久々に集まりにも参加したのか…!それは面白すぎる…!」


Pは照れ臭そうに笑いながら、黙っている。
このダンスホールで巻き起こっている巨大な笑いが台風とするならば、
Pが台風の目だ。台風の目から崩壊していく街の一部始終を見ることはできない。
だからPは、ただ、照れ臭そうに笑っているのだ。
その姿はさながら猛威を振るうハリケーンである。
私たちはその巨大な台風に吹き飛ばされるしかなかった。
感服、手放し、蹂躙、絶対服従である。

Pの「ラインはサブアカ」という一言が、
この年末の一連の会話、笑いを想定したもので、
その伏線をひっそりと一人で張っていたかもしれないと思うと、
彼はとんでもない策士なのかもしれない。
何も言わずにニコニコしているP。
真実は、彼のみぞ、知るのだ。


社会人になって、令和になって、誇張表現なく、もっとも笑った出来事だった。
キレのいいツッコミと、Pの独独の会話の間から生まれたその笑いは、私の中で伝説級となった。
笑いすぎて腹筋が108つに割れた。年末なので。





















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いかがでしたでしょうか。

当事者じゃないと、あまり笑えないかもしれませんが、

呼吸が出来なくなるほど笑う出来事って、尊くないですか?

私は、より一層、友達のことが大好きになったし、

今も関わり続けていられることを感謝したいと思います。

長文読んでくれてありがとう。


おしまい。