こんにちは。私は篠野です。
急に外国人が日本語練習してる自己紹介みたいになってしまいました。
今日はいつもと違うカメラの話です。
まずはこれを見てくれ。
OLYMPUS PEN-F
引用元:https://sunrise-photo.net/?p=54050
世界初のハーフサイズの一眼レフ機構のフィルムカメラになります。
ハーフサイズって何?ってところもあると思うので、
簡単に説明しますね。
おっとぉ!?そもそも写真が撮られる仕組みについて話さないといけないのかもなぁ!?!?
まあこの記事を読んでカメラの基礎知識をつけてからまた来てくれや。
kan-ghi-ten.hatenablog.com
なのでハーフサイズって何なのかをざっくり説明しますね。
フィルム室という場所が、通常の一眼レフ、というか通常のフィルム室の半分の幅になってるんですよ。
つまりどういうことかというと、
- 通常の倍の枚数の写真が撮れるフィルムカメラ
- 半分の幅でいいので筐体が小さくなる
ってことです。フィルムカメラのランニングコストを抑えながら、一眼レフなもんだから画期的だし、なんか昨今の女性人気が高まっていますね。コンパクトだからっていうのがあるかな。おい!インスタ蝿!伊東のハトヤホテルの便所サンダルの写真撮ってる場合じゃねーぞ!事件は現場で起きてんだ!
”個性的”という没個性に埋もれてんじゃねー!
もっとあるだろ映えは、”ここ”に…。
そしてこれを見てください。My Gear…
OLYMPUS PEN-F
ちょっとフィルムカメラに見えません?
まあ私には見えませんが。素人目にはフィルムに見えるらしい。
これ、デジタルなんですよ。
何度も「それフィルムカメラ?」と聞かれたことがあります。
私がこのPEN-Fを手放さない理由を少しお話します。
オリンパスはもうカメラ作らない。
皆様も記憶に新しいのか興味ないのか私には興味がありませんが、
2021年にオリンパスはカメラ事業から手を引いています。
「OMデジタルソリューションズ」っていう新会社に譲渡しました。
これに伴って、女性人気を誇っていた"オリンパス"の「ペン」シリーズや「OM-D」シリーズは事実上の廃盤となりました。マイクロフォーサーズっていう規格をつくったのはオリンパスですね。銘玉レンズと呼ばれるものもたくさん排出されました。マイクロフォーサーズのおかげでボディが小振りになって、持ち運びやすくて、女性人気が出たと。
まあ新会社の新商品にもデカデカと「OLYMPUS!!!」って書いてあるんだけどね。だからユーザーにとっては悲しくないけど、前会社のオリンパスとして出ていた機種は廃盤になって、オリンパスがオリンパスとしてオリンパス(意味深)することはもう二度とないのです。
新機種のPEN、カッコいいですねボソッ
機種名がフィルムカメラをそのまま引き継いでいる。
フィルムカメラ、というか過去のプロダクトと同じ名前のものをリリースするのってかなり珍しくないですか?
「THE BEST」っていうベストアルバムが出ているのに時を経てもう一度「THE BEST」ってアルバムをリリースするのと同じなんですよ。2じゃないんですよ。
後にも先にも、オリンパスのOLYMPUS PEN-Fはこれが最後ということになりますね。
これもあって価格が高騰しつつあります。
私10万切ったくらいで買ったんだけど、今15万くらいで出てるものもありますね。
オリンパスはPEN-Fと心中した。
オリンパスの目線になって想像してみましょう。
いいですか…あなたは、私と同じです…。
あなたは、私は…オリンパスの社員です。新製品開発事業部にいます。
シュルルルル…(過去に戻る音)
社長「新製品を作ろう!」
私「いいですね!なにか案がおありで?」
社長「うん、名前は決めてある。」
私たち「(ざわ…ざわ…)」
社長「PEN-Fだ。」
!?!?!?!?!?!?!?
私「ぺぺぺぺぺぺぺ…ペンエフ!?!?!」
斎藤さん「ぺっぺっぺ~!?」
私「だだだだだだって、ペンエフはもうあるじゃないですか!!!」
フィルムカメラ「せやで」
社長「今のオリンパスを結晶化させる。フィルムのPEN-Fを今、もう一度体現する。このPEN-Fと心中する覚悟で言ってる。頼むぜ。」
私たち「どぎゃぁぁ~大変だあ~あんな名作と同じ名前だなんて~」
チャンチャラッチャチャンチャラッチャ(阿波踊りを踊る)
デジタルPEN-F「できた。」
社長「すげえ。もうこれゴールだわ。なんかもう疲れた。あと1.2機種出したらカメラ事業辞めるわ。心中するって言ったし。」
ってことだと思うのです。
面白味のない茶番、すみませんでした。
尖ってる
フィルムのPEN-Fが女性に人気だったことを踏まえて、
カラープロファイルを切り替えるダイヤルをガッツリ搭載。
(ダイヤルの写真)
手軽に写真のテイストが変えられます。
モノクロとか、ヴィンテージ風とかね。私使わないけど。
フィルムカメラ感を全面的に醸してきたこのボディ。
このメカメカしい感じ。シンプルなデジカメとは大違いですね。
ダイヤル敷き詰まっててすき。
筐体の色味もバルナックライカを思わせてくれます。
バリアングルモニターで背面液晶を隠せばもうフィルムカメラです。
なによりも、この機種の名前が名作の名を背負っているという尖り方が一番の魅力ですね。
オリンパスが「はい、これ名作ですよ」と言ってるわけですから。
シャッターフィーリングが特徴的
これは実際にシャッターを切った人にしかわからないことなんですけど、
この機種のシャッターフィーリングが今までにない特徴があります。
チャ
っていう感じ。
でも軽すぎず、しっかりとシャッター押下感が味わえます。
この前に使ってたオリンパスのOM-D EM10 MK2とはかなり違うなと思いました。
私のPEN-Fのつかいかた
私はこのPEN-Fにオールドレンズを着けていて、
ホワイトバランスを7000kくらいに上げて色温度を温かめにして、撮って出し(JPEG形式、いわゆる加工用データとしては撮らないってこと)で利用しています。
そうすると、結構フィルムライクな写真が撮れるんですよね。
カラープロファイルを使ってゴリゴリに色味を加工しちゃうんじゃなくて、レンズとホワイトバランスだけで、ここまで撮れるのって結構いいなと思っています。無論、オートフォーカスは使っていません。オールドレンズだからね。
Industar-22 50mm F3.5
マイクロフォーサーズなので100mm相当の画角になります。望遠気味。赤の色味がGoodです。
ボディ自体が比較的軽めなのでスナップ撮りにも向いているし、
ボディがメチャカワなのでファッションアイテムとしても悪くないかもね。ファインダーを覗きながらダイヤルをコリコリ回したりするのが、このOLYMPUS PEN-Fとしての所作だなと思います。
いかがでしたか
どうでしたか。
ライカ以外に私が持っているデジタルカメラはこれだけになります。
私が使っているライカも、このPEN-Fも、尖っていて好きだし、ある種の到達点を感じるカメラなので手放さずにずっと使い続けるんだろうなと思います。
画質とか、手振れ補正とか、そういうの求めてないのよ。もう空中戦だしさ。そういう領域って。
そうじゃなくて、カメラとしての所有欲が、プロダクトとしての完成度が、結果的に私の心をくすぐってくれるカメラが、私は本当に好きなんです。
皆さんも、カメラを買うときは必ず、
一目見て恋に落ちるような、ビビッときたものを手に入れて使うようにしてください。
スペックばっかりじゃなくて、やっぱ恋しないとね。
そこにフィルムもデジタルも関係ないです。
このOLYMPUS PEN-Fはそれを教えてくれました。
おしまい