そい!篠野です。
もういいよ「しのの」で。
またカメラの話。
多分今日の話は短いからトピックは無しだぜ。
手始めに、ライカを初めて手に取るまでの話をするぜ。
まず、私が何でカメラを買い始めたのかって言うと、
大学時代バンドサークルに入っていて、月イチでサークル内でライブを行ってて、毎月ステージに上がって照明を浴びながらギターを弾いて歌をうたう、っていう場面が月イチでやってくる環境に身を置いていたのよ。で、そのライブのたびに、大学の先輩が写真を撮ってライブ後に「おつかれー!」っつって写真をアップしてくれてたんだけど。もちろんカッコよく撮ってもらえた写真とかもあって、サークルの皆、例に漏れずLINEのトップ画像はそのライブしてる自分の写真にしてたという感じ。
で、
「うわーすげえプロみたい」
って思うような写真をちらちらと目にするわけ。
で、私は思ったのね。
ライブハウスで間近で人の写真をかっこよく撮れるのって、この大学4年間だけなんじゃないか?って。しかも月一で。4年間にしたら48回も。しかもなんかカッコいい写真が撮れちゃった日には「自分プロくね?」と思えたりするんじゃないか。と。
そうするともう行動あるのみで、1万円くらいのSONYの一眼レフを見よう見まねでヤフオクで買って、写真を撮るようになって、大学時代は2年くらいそのカメラで写真を撮ってた。とはいえ知識もなければ、それっぽい写真が撮れるでもなく、そのまま大学を卒業して就職。ファインダーを覗いて写真を撮る行為自体はプロっぽくて楽しかった。
社会人になって、彼女ができて旅行の計画が立って、アレ!これカメラの出番じゃないか!ファインダー覗いて彼女の写真撮って写真集出してボロ儲けしてぇ~ってなったんだけど、そのSONYの一眼レフは古いモデルだったということもあったし、もう画質もスマホの方が良かったのでほとんど使ってなくて、なんとなくカメラのキタムラに行ってみると、OLYMPUSのOM-D EM10 Mark2が安売りされてて、社会人になって金が余っていたのもあって購入。
ファインダーを覗くのがやっぱ楽しい、と。でもなんか写真集っぽい写真が撮れない。なんか背景ボケない。
で調べると背景がボケる写真を撮るには単焦点レンズってのが必要らしいわ、と知って25mmの単焦点レンズを購入。撮ってみると「おお!写真集っぽい!」と感動。
それからはもう出かけるたびにカメラを持ち歩く生活になりました。
で、2年くらい使っていると、首に掛けてたOM-Dが壁かどっかにコツンと当たってしまって、録画ボタンが物理的に陥没してしまいました。
電源をONにすると即録画が始まってしまうようになって、写真が撮れなくなり、OMDは土に埋めました。
そうして次にであったのが、OLYMPUS PEN-F。
何に惹かれたか、ってもう100見た目。
バリアングルモニターで液晶を隠せるのも、
画面壊れる心配減るなってのと、見た目。
でこれまた、安くなっていたので、お迎えしました。
バルナックライカっぽいなって思いながら使っていました。
そうすると、PEN-Fに合うレンズを探すようになって、
オールドレンズだ!となるわけですね。
PEN-Fをずっと使っていると、
よぎるんですよね。
ライカが。(笑)
そりゃまあPEN-Fを調べて、オールドレンズを調べると、まあライカに行き当たると。
で、名古屋のコメ兵っていう中古屋さんがあって、カメラ館ってとこでオールドレンズレンズとかを見てた時、
ライカのコーナーというかブースというかがあって、
ショーケースにライカのボディやレンズが並んでてそれを一人見てたのよ。
「うっわ、高…レンズで100万…」
ドン引きしていると、店員が「ライカのレンズ何かお探しですか?」と。
100万の買い物に気軽に話しかけてくんなよ。頭おかしいんか。
で、テキトー言って会話を盛り上げる力がそこそこある私は
「あいやライカってどんなカメラなのかな~って」みたいなことを言ったら、
「持ってみますか?」と言われ、ショーケースからM型デジタルライカを持ってきて「どうぞ」って。
で、初めて持った感想は「重!」でした。
ファインダー素通りなんだ、写ルンですみたいだな、とも思いました。
シャッター押してみてくださいって言われたので、言われるがまま、押した。
カシャ
はい。これで私の人生変わっちゃいました。
明らかにPEN-Fとは違うシャッターフィーリング。
軽快かつ上品なシャッター押下感。
押すと、コンと沈むシャッターボタン。
バチン、と機械が瞬きをする音。
瞬間のボディの振動。
バネのような跳ね返り。
ボディの振動。
シャッターが閉まる感覚、振動、音。
しかもそれらは、必ず機械的なアクション感があるのに、
荒々しくない。なんか優しい。
あ、こりゃ100万するわ。と秒で納得。
完成度の高さに、というか、
シャッター押しただけなのに、納得しちゃった。
もう、ゴリゴリに恋。
こうなってしまってはもはや手遅れで、
四六時中ライカのことを調べてました。
「あ、真鍮で出来てるからあんなに重いんだ」とか、
「フィルム時代から形殆ど変わってないんだ」とか。
もう時間の問題でもあったね。
PEN-Fじゃ、あのシャッターフィーリングは味わえないんだと。
もはや、あの感覚は、あの感動は、ライカだからなんだろうな、と。
で、調べに調べていると、
中古で見つけたんよ。
残業続きで手取り爆増してた当時、買えない値段じゃないし、
消費税が来月から10%に上がる、というタイミングで、
断頭台に向かう覚悟で購入。絞首台でもいいよ。
そして今に至ります。
あとはもうこれです。
ライカを手にしてからというもの、
少しでも多くシャッターを押したいという気持ちになり、
積極的に被写体を探すようになりました。
必ず持ち歩いています。
でも、貪欲にシャッターチャンスを探すのはどうしても疲れる。
で、ありのままを撮ったらいいやん、と思いました。
映えとか、どうでもいい。
そうすると、自分にどんどん正直になって、
なんとなく撮りたいと思ったものを撮るようになって、
そうすると、気付くんですよね。
あ、なんか建物ばっか撮ってるな、とか、
嫁の写真ばっかりだな、とか。
そうすると、ライカが提示してきたような気がするんです。
私の好きなものを教えてくれたかのような。
そうこうするうちに、ライカを持つことや、写真を撮ることは、
余計なこだわりがどんどんなくなって、生活の一部になりました。
ライカは、私の好きなものだけを残す道具に昇華しました。
あの日の店員のこと、手に入れる前までは本当に恨んでたけど、
今となっては、めぐり合わせてくれたことに感謝しています。
すごく素敵な仕事だなとも思います。
世の中って、こういう祈りの集合体なんだな。
私の好きなものが、ありのまま残し続けられる。
たとえ私が死んだ後でも、私の好きだったものは、残るんだろうな、とか思ったりして。
この人生がどれだけ、豊かな心であることか。
私の人生は、シャッターひと押しで変わりました。
おしまい。