今日は、土曜日だ。
嫁は出払っていて、朝から夕方まで一人だ。
結婚生活で不意に訪れる一人の時間。
ソファーに寝転がり、思考を広げる。
こんな時、何をするべきかは、分かっている。
そうだ。ブログのストックを積み上げよう…
パソコンを開いた。
私が使っているのはノートパソコン。かっこつけて言うならラップトップというやつだ。
「ラップトップ」
”かっこ”つけて、言ってみた。
私はラップトップの電源を入れ、眠りに落ちた。
目が覚めた。11時だ。寝落ちをしてしまったが、まだ許容範囲の寝落ちだ。
テレビを点け、なんかよくわからんバラエティ番組の再放送を見る。
時折「ハッw」と笑うも、心から爆笑できない自分に寂しさを覚えた。
どれもこれも、笑いに対して押しつけがましい気がしてしまって素直に笑うことが出来ない。
おもしろタレントとされる、「面白い」とされる発言が軒並みうすら寒いのだ。
「興ざめだっぜ…」
私は昼食にしようとキッチンに向かう。
とても面倒だったのでパスタを茹でることにした。
昔、卵かけご飯を作ろうとしたら黄身をシンクに割り落して殻を米の上に放り込んだことを思い出しながら、
シンクで卵を割る。そのTKGの記事についてはここを読んでもらいたいところだ。
卵を割る。勢い余ったつもりはなかったが、想像していたよりも軽率に卵の殻が真っ二つに割れ、
黄身がそのままシンクに落ちてしまった。呪われているのだろうか。
私は文字通りもぬけの殻となってしまった卵の殻を持ちながら、
シンクに落ちてしまった悲しそうな黄身を、ただ、見ていた。
私の頬に、一筋の涙がつたう。
「これは…泪-namida-…?」
価格の高騰が著しい卵を一個無駄にしてしまったことに涙しているのだろうか。
この涙は何なのだろうか、そして私はどこへゆけばよいのだろうか。愛とは、平和とは…。
「絶対に許さないッ!」
テレビのバラエティでは、何かに怒っている人を見て、誰かが笑っている。
なぜ人の不幸で笑うのか。笑えない。こう考えてしまう私が歪んでいるのか。
それとも、世界か。
世界が、私の惨めなカルボナーラ、通称「ミジメナ―ラ」を食べているのを見て、笑っている。
嘲笑を受けていると、次第に私はなんだか可笑しくなって、ついには笑いが止まらなくなった。
「クククク…フゥゥッハッハッハ!!!!!」
私は両手をGLAYのTeruのように広げて笑い飛ばした。
背中からは黒い羽根が生え、巨大化しながらバサバサと音を立てている。
八重歯がメキメキと鋭く伸び、ドラキュラさながらの牙に変貌を遂げる。
「ソンナニ俺様ガ惨メナノカァー!」
途端に辺りは一面の闇に包まれた。昼だというのに空は濃い紫色をしていて、
何か黒い雲がどんよりと、それでいて禍々しく渦巻いている。
私はミジメナ―ラを完食し、ベランダへ出た。
私には翼がある。この感情で世界を征服することは容易い。
「HAHAHA~~~⭐!」
私はベランダから飛び出した。
翼がバサバサと音を立てている。
新しい世界の、始まりだ…。
ビターン!!!
おしまい。
クソみたいなおまけ
本田翼に翼が生えたらバサバサうるさそう。
卵を一個無駄にして寝ただけの最低の話には最低のクオリティがお似合いだっぜ。
途中までは実話です。翼が生えるあたりまでかな。(嘘過ぎ)
後半は、ハクション!(さすがに死んでくれ)